令和5年9月定例会が閉会しました。
9月は審議議案に加え、令和4年度決算議案の審議が行われるため通常より長い日程となります。
この度のTOPIXは決算について書きたいと思います!
〇R4年度決算概要
一般会計・特別会計の決算総額は、歳入1,638億5,994万8,000円、歳出1,596億270万9,000円で、一般会計の実質収支は26億3,640万6,000円、特別会計の実質収支は8億8,075万7,000円の黒字になっており、実質公債費比率は、6%で前年度に比べ、0.9%低下、将来負担比率は、43.7%で前年に比べ12.3%低下し、財政健全化判断比率が大きく改善されていることを評価します。
■決算特別委員会であった議論TOPIX
<歳入総務系>
〇ふるさと納税
R4年度、呉市への寄附総額約3億4千万ありますが、R3約6億2千万、R2約5億2千万と比較しても、額がさがっています。また、実質的収支(寄附募集経費や、逆に市外へ寄附し控除した税収分など含む)でも、R3は約3億1千万あったのがR4年度は約5千万円とさがっています。市場規模や約1兆円になる勢いで拡大しています。商品やサービスのアイテム数は呉市も増えております。ポータルサイトの充実、柔軟かつ動きが早い事務事業者とタッグを組んで、税収を伸ばしてほしい。今年度はR2年度を上回る勢いらしい。期待です!
〇滞納繰越分
収入未済額が約11億円あります。呉市の職員の皆さん頑張っている成果か、県内で比較しても呉市は収納率が高いんです。ただ、それでも呉市全体で約11億円の収入未済額があります。その内容の中には、合併前からある債権(ほぼ回収は無理)や、税金徴収において実質的に回収が難しいものも多く含まれていました。ひとつひとつの債権を管理するにも人的コストです。難しいものは欠損金として判断し、効率的に仕事をしてほしい。もちろん引き続き回収できるまでしっかりすることが税の公平の観点から必要であるので、それがベースにある上で。
〇スマートチャレンジくれ
最先端技術を活用した生活の質が高い呉市を目指し、市内外の事業者にシーズをつのり、その内容を参考に庁内でグループワーク重ね、実装に向けた実証実験を行っています。
毎年3,000万円の予算を計上しているが、R4は約300万円の執行。R5年度の決算見込みは約2,500万前後とのことであるが、以前予算に対して未執行。スマートシティ実現に向けてトライ&エラーで今後も担当課にもやっていってほしいですが、今のニーズやシーズだけ聞いて決めていく手法も考え直したり、行政改革デジタル2課だけが推進しているような感じを受けたので、全庁あげてとりくむよう、市長の宣言や、全体の構想や計画が必要だと感じます。
<民生関係>
〇放課後児童会
R4予算 474,404千円 → R4決算 506,732千円
コロナ交付金を活用した慰労金や整備で決算額として膨らむ。少子化の背景はあるものの、放課後児童の登録数は若干の減少ではあるものの、少子化やコロナの預け控えの背景を鑑みると率としては高い。コロナ前において登録数は増加している。
〇放課後児童会・子ども教室一体化事業
実証実験のためR4年度決算は約100万円。両条小学校と蒲刈小学校で実施。子どもたちの放課後をより安全に充実したものにしたいと考えております。学校の空き教室などを活用し、放課後児童会の児童とか関係なく全ての子どもが、放課後に学校で楽しく過ごしてほしい。R5~R7にかけて約9,000万円の予算を組んでいます。成果に期待。
〇乳幼児医療等助成費
今年度10月から高校生まで通院・入院、所得制限なく500円で医療を受けられます。R4年度は現体制(小学生まで通院、中学生まで入院、所得制限有 500円)の決算。所得制限の対象が未就学児約1,000人、児童約1,000人、拡充対象者が中学生約5,000人、高校生約5,400人になったそうです。過去の数値から予算と決算の差異はそれほどなく、しっかりと拡充対象者もよめているので、今年度からも財源不足にならないよう引き続き推移をおってください。
〇5歳児検診
国際大学に委託し、発達相談面接心理検査をおこなっている。年中へ個別アンケートを送付。子どもの発達に関する回答をもらう。R4実績 1,369対象者。 返信数1,111件 81.2%
相談に結びつけたらいい 154件。県内市町では先行して呉市含め7自治体が行っているが、3歳検診では判断が難しいところを、しっかりと5歳児でもチェックし、保護者、そして事業者ともに安心安全に子どもを育てる環境づくりを。
〇保育士確保
特に民間で就労中の保育士の皆様の処遇改善が必要。R4決算では奨励金の話がありましたが、行政としてできる限りの支援を。事業者の皆さまと協力し政策展開を。R5からの家賃支援や奨励金の拡大がどう数値として出るか期待です。
<教育・文化スポーツ関係>
〇小中学校におけるDXについて
詳細省きますが、16,007台のタブレットの運用保守費用、Wi-Fi保守にかかる費用、光回線使用料、教職員のPCリース料、校務支援システムの更新に要した費用など含み、GIGAスクール構想に要した費用としては、小中合算で約2億8千万弱程でした。広島県の教育委員会からは、教育面のほか、施設整備でも「高速,安定,安全」面で高い評価を受けているそうで、確かに、他都市の状況を他の同世代議員とも情報交換しますが、つながりにくいなどで補正予算を上げる自治体もあり、その評価に納得。文科省も学校DXを目指しておりますが、しっかりと活用し時代に合った教育環境整備を引き続きして頂きたい。
〇瀬戸内ブランディング推進事業
アウトドアスポーツの推進事業。ここでの論点は効果と今後のビジョンを広島県にしっかり伝えることができるかとおもっています。毎年1,000万円の予算、決算で進んでいますが広島県から1/2の補助を頂いていますが、その補助が今年度のR5年度で期間が終わります。「スポワンKURE」のホームページアクセス数、令和4年3月現在で、約5,000アクセスであったものが、令和5年3月末で約26,000アクセスとなっており、ページビュー数は約17,000から、約75,000と増加となっております。また「スポワンKURE」の冠を付けた事業は、新型コロナの影響下においても令和3年度では、5事業約2,000人の参加、令和4年度では,8事業約27,000人の参加となっています。広島県の補助制度を継続し、アウトドアスポーツといえば呉というブランド化に向け、引き続き努力してほしい。
<産業関係>
〇有害鳥獣対策
R4予算約6,000万円に対して、決算額は約7,100万円の上振れ。イノシシの捕獲が過去最大の4,505頭にのぼり、約1,000万円の主な増加要因は捕獲報償金の増加。農作物の被害額は令和2年度が約8,700万円、令和3年度が約9,500万円、令和4年度が約5,400万円。そのうち,7割から8割程度がイノシシの被害、それ以外ではカラスやヒヨドリなどの鳥類による被害が大きい。また、R4には小学生がイノシシとぶつかり、転倒し両ひざをすりむくという事故もあり、喫緊の課題であることは言うまでもありません。他都市の有効事例を研究し、本市施策に反映したいとおもいます。
〇呉市中小企業等事業再構築補助金
追加支援として1億5千万円の予算計上だったが、R4は約5,100万円の執行。国の事業が完了してから申請する必要があるため、件数の伸び悩み。ただR5に繰り越す。呉市の独自追加支援は呉市事業者にとってお得だとおもいます。引き続きサポート支援も合わせ、地元企業の皆様の事業を応援していただきたい。
〇日新関係 雇用について
呉地区の従業員数3,300人。広島県の推計では再就職を希望される方のうち、約9割が再
就職できたと聞いているそう。呉市として再就職を考える方に向けた合同企業説明会等を
県・広島労働局・ハローワークと共催で令和2年度から計10回開催、延べ554人が参加。
<最後に・・・>
決算特別委員会の中で当初予算執行予定だった事業の選択と集中ができていたこと、そして、適切な財政確保による災害復旧・復興、コロナ対応、物価高騰対策においても評価できる。また、日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の完全休止による雇用対策を含め、地域経済をどう活性化するか、「少子化対策・若者女性活躍」、スポーツ施設の再配置計画など、喫緊の課題への積極的な取組が求められています。引き続き、健全でバランスの取れた財政運営の確保へ向けた当局の最善の努力を求めます。
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